サーブレシーブ
Aパス(エーパス)とは?B・Cパスとの違いと計算例

最初に結論
Aパスは、攻撃の選択肢を残す返球です。
Aパスは、セッターが複数の攻撃を選びやすい位置へ返ったサーブレシーブです。Aパス率は返球の割合ですが、練習を決めるときは、返球後に攻撃を作れたか・得点できたかまで続けて見ます。
- 読み方エーパス
- 比較するものB・Cパスとの違い
- 次に見るもの返球後の攻撃とサイドアウト
チームによってA・B・Cパスの基準は少し変わります。大切なのは、記録担当とコーチが同じ基準で入力し、数字を「返球の採点」だけで終わらせないことです。
AパスとAパス率の基本
一般的には、セッターがネット付近で安定してトスを選べる返球をAパスと呼びます。チームによって基準は少し変わりますが、記録担当とコーチが同じ基準で入力できることが大切です。
この4段階は全国共通の絶対基準ではありません。返球位置だけでなく「攻撃の選択肢が何本残ったか」を含め、記録担当と指導者が同じプレーを同じ評価にできる基準を先に決めます。
セッターへのパスは、どこへ返す?
先に答えると: セッターが無理なく入り、速攻と両サイドを含む複数の攻撃を選べる場所が基本です。ネットへ近づけすぎず、ローテーションとセッターの開始位置に合わせて、チーム内の目標範囲を決めます。
「ネット際の1点へ正確に返す」ことだけを目標にすると、ネットを越える返球やセッターを動かす返球まで同じ評価にしやすくなります。返球位置に加えて、セッターが体勢を保てたか、攻撃の選択肢が何本残ったかで判断します。詳しい練習設計は、レセプションとは?意味・返球位置・練習方法で整理しています。
Aパス率だけで見ない
「返った。その次は?」への答えは、攻撃の選択肢が残ったか、実際に何を選び、最後に得点できたかを分けて見ることです。A評価を付けた時点で振り返りを終えると、返球後に準備が遅れた場面や、攻撃を相手に読まれた場面が残りません。
Aパス→最初の攻撃→ラリーの結果をたどる
たとえばAパスが返っても、攻撃に入れた選手が1人だけなら「返球後の準備」を確認します。複数の攻撃が使えたのに同じ場所を選んでいたなら、相手ブロックとトスの選択を確認します。数値だけで原因は決めず、該当ラリーの映像やメモと照合します。
返球の質と位置に応じてセッターが選択を変える考え方は、FIVBの指導資料を参照しています。
同じAパス率46.2%でも、得点への接続は違う
| 確認する記録 | 試合A | 試合B |
|---|---|---|
| Aパス率 | 12/26本=46.2% | 12/26本=46.2% |
| Aパスだったラリーのサイドアウト | 9/12本=75.0% | 5/12本=41.7% |
| 次に確認すること | 使えた攻撃と相手の対応 | 攻撃の準備・選択・ミスの内訳 |
Aパス率の分母は全評価26本、2行目の分母はA評価の12本だけです。2行目はチーム全体のサイドアウト率でも、最初の攻撃の決定率でもありません。比較対象の相手や試行数が違うため、これだけで選手や試合の優劣は決めません。

Aパス率の計算方法
例: A評価12本、B評価8本、C評価4本、D評価2本なら、12 ÷ 26 × 100 = 46.2%です。
A評価だけを分子にし、B・C・D評価もすべて母数へ含めます。率だけを残すと試行数が分からないため、「46.2%(12/26本)」のように本数を並べて確認します。
無料コーチングツール
Aパス率・評価分布計算ツール
A・B・C・Dの評価数を入力すると、Aパス率、A+B評価率、D評価率と母数を確認できます。
- 総レシーブ数
- 0
- A+B評価率
- --
- D評価率
- --
評価数を入力するか、26本の例を読み込んでください。
計算式 A評価数 ÷ A・B・C・Dの全評価数 × 100
この計算ツールはチーム内の振り返り用です。A・B・C・Dの定義はチームごとに揃え、公式記録や選手選考の単独基準には使用しないでください。
計算した後に必要なこと
単発の率から、試合の文脈へ。
- まず無料で確認
- 上の計算ツールで評価分布を確認。アプリのFreeプランは0円で5試合まで記録できます。
- Proが向く場面
- 複数試合や月間レポートで、同じチームの変化を継続して振り返りたいとき。
- Staff / Teamが向く場面
- マネージャーが記録し、監督・コーチが同じ試合と練習方針を確認したいとき。
Vollyzeの役割: Aパス率だけで選手を採点するのではなく、評価した選手、得点状況、ローテーション、サイドアウト結果を同じ流れで見直すためのアプリです。
チーム課題と個人評価を分けて考える
Aパス率は選手別にも見られますが、最初から個人ランキングにすると、担当範囲や相手サーブの難しさを無視しやすくなります。まずはチーム全体で「どのローテーション・狙われ方・返球後の攻撃」で評価が落ちたかを確認し、必要なときだけ個人記録へ進みます。
個人を見る場合も、Aパス率だけではなく、受けた本数、担当したゾーン、Aパス後の攻撃、サイドアウトまでを一緒に確認します。Vollyzeでは、補助入力で選手とレシーブ評価をラリーへ結び付け、試合後にチームと選手の両方から見直せます。
返球後まで続ける、10本の練習例
サーブから始めてラリー終了まで行い、返球評価と得点結果を別々に記録します。Aパスを返して終わりにせず、攻撃に入れた人数と、選んだ攻撃も短くメモします。
練習条件の作例
- 確認したい並びを1つ選び、相手サーブから10本始める。各ラリー後は同じ開始条件へ戻す。
- Aパス後は、使える攻撃を準備する。ミドルへのトスを毎回強制せず、返球と相手ブロックを見て選ぶ。
- A評価の本数と、そのラリーでサイドアウトできた本数を別々に数える。
- 準備の声かけなど変更を1つだけ決め、同じ条件で次の10本を行う。
10本は運用しやすい区切りの例です。少数回の上下を改善の証明にせず、相手サーブの難しさも残して、別の日にも確認します。
サーブを見て受ける判断を含めた練習づくりは、USA Volleyballの指導記事も参考になります。上記の10本メニューは本記事の作例です。
次の練習へ持ち帰る3点
- A〜Dの判定基準を、記録する人と選手で揃える。
- Aパスのあと、攻撃に入れた人・選んだ攻撃・ラリー結果を残す。
- 同じ並びとサーブ条件で、1つの変更を試す。
よくある質問
Aパスとは何ですか?
Aパスとは、セッターが複数の攻撃を選びやすい位置へ返ったサーブレシーブのことです。チームによって基準は少し違いますが、「速攻や両サイドを使える返球」と考えると分かりやすくなります。
Aパスはエーパスと読みますか?
読み方はエーパスです。検索では「aパス」「えーパス」と書かれることもありますが、バレーボールのサーブレシーブ評価としては、攻撃を作りやすい返球を指します。
セッターへのパスは一般的にどこへ返しますか?
セッターが無理なく入り、速攻と両サイドを含む複数の攻撃を選べる場所へ返すのが基本です。ネットへ近づけすぎず、ローテーションやセッターの開始位置に合わせてチーム内の目標範囲を決めます。
AパスとBパスの違いは何ですか?
Aパスは攻撃の選択肢を広く残せる返球、Bパスは攻撃は作れるものの選択肢が少し限られる返球です。Bパスでも得点できる場面はあるため、返球評価だけでなく、その後の攻撃まで見ます。
Aパス率はどう計算しますか?
A評価の本数を、A・B・C・Dを含む全サーブレシーブ評価数で割り、100を掛けます。たとえば26本中12本がA評価ならAパス率は46.2%です。上の無料計算ツールでも確認できます。
Aパス率は何パーセントを目安に見ればよいですか?
年代や相手のサーブ力で変わるため、絶対値だけで判断しない方が安全です。同じチーム内で、セットごと、ローテーションごと、相手のサーブタイプごとに比較すると、次の練習へつなげやすくなります。
Aパス率だけでレシーブの良し悪しを判断してよいですか?
Aパス率だけでは不十分です。Aパス後にミドルを使えたか、攻撃が決まったか、サイドアウトできたかまで見ると、練習テーマを決めやすくなります。
A・B・C・Dパスの基準は全国共通ですか?
全国共通の絶対基準ではありません。チームや分析方法によって返球位置や攻撃可能性の定義が変わるため、比較前に記録担当と指導者で基準を揃えることが大切です。
参考資料と、このページの作例について
- FIVB『Coaches Manual Level I』本文p.134/PDF138ページ(英語PDF)Offensive Strategies:返球の質・位置、相手ブロック、ローテーションの攻撃特性に応じた選択を確認できます。A〜D評価の全国共通基準を定めた資料ではありません。
- USA Volleyball「You Win with Serve Reception, not Passing」(英語)サーブから始める練習と、受ける人の判断、セッターへつなぐ返球を考えるための指導記事です。
資料確認:2026年11月2日。図解・数値・会話・練習条件は、上記資料の考え方を参考にVollyze編集部が作成した説明用の例です。実在チームの実績や、効果を保証する基準値ではありません。