バレーボールのローテーション分析
バレーボールのローテーション分析とは?失点が増える並びを見つける方法

この記事の結論
並びごとに、返球と攻撃の条件が変わるから。
ただし失点数だけで「弱い並び」は決められません。まず相手サーブ時の機会数を揃えて見て、返球・攻撃の準備・セッターの移動を確かめます。
「なぜ、この並びで崩れる?」を調べるには、失点の総数や印象ではなく、同じ開始条件のラリーを集めます。この記事では6人制のサーブレシーブ場面を例に、確認の順番を整理します。
ローテーションは、開始時の並びを揃えて比べる
ローテーションが変わると、前衛・後衛の役割、受け手の組み合わせ、セッターが攻撃準備へ入る経路が変わります。ラリー開始時の並びと、サーブ後に移動して作る攻撃・守備の隊形を混同しないようにします。
R1〜R6という記号の付け方は、使う記録方法で確認してください。ここでは説明用のラベルとして使います。番号だけで「R5は弱い」「R1が有利」と一般化せず、実際の選手・開始位置・相手サーバーと結び付けます。
まず、失点数を機会数と並べる
サーブレシーブの比較では、相手サーブで始まったラリーに対象を揃えます。サイドアウト率は、その中で自チームが得点した本数を、対象ラリーの総数で割ります。自チームのサーブ時の得失点は別に集計します。
| 並び | 得点 / 対象ラリー | 失点 | サイドアウト率 |
|---|---|---|---|
| R1 | 8 / 12本 | 4本 | 66.7% |
| R5 | 4 / 10本 | 6本 | 40.0% |
| R6 | 12 / 18本 | 6本 | 66.7% |
この例では、まずR5の10本を見返します。R6も6失点していますが、相手サーブ時に12本を取り返しています。率の差は確認の優先順位を決める手がかりで、原因の確定ではありません。相手サーバーやセット、交代選手が違う場合は、その条件も残します。
試行数が少ない並びは、1本で率が大きく変わります。さらに細かく比較したい場合は、ローテーション別失点と母数の見方も参照してください。
R5の中身を、3つの観察に分ける
| 観察 | 見たい場面 | 練習で試すこと |
|---|---|---|
| 受け手の役割 | 同じ間や短い位置で迷っていないか | 担当範囲と声の順番を揃える |
| セッターの移動 | 返球位置に入り、体勢を作れたか | 目標範囲と2本目の助け方を確認 |
| 攻撃の準備・選択 | Aパス後に誰が入り、何を選んだか | 複数の選択肢を準備し、相手を見る |
「レフトが止められた」は結果です。その前に他の選手が攻撃へ入れていたか、返球が制限していたか、相手ブロックが読んでいたかで対応は変わります。FIVBの指導資料でも、返球・相手ブロック・ローテーションの攻撃特性を合わせた選択が扱われています。
ベンチでは、次の行動に短く変える
「R5が弱い」では、選手は何を直せばよいか分かりません。実際に短いサーブへの役割が曖昧だったなら、次のように具体化します。
「次のこの並びは、短いサーブの担当を先に確認しよう。2本目を助ける選手も声をかけよう。」

並びを固定して、1つの変更を試す
R5の短いサーブ対応を扱う練習例
- 試合と同じ6人の開始条件を再現し、短いサーブから10本始める。
- 担当の声、攻撃への接続、サイドアウトの3つを記録する。
- 担当範囲または2本目の助け方を1つ変え、同じ条件で10本繰り返す。
- 最後は通常のローテーションに戻し、その並びに来たときも実行できるか確かめる。
各ラリー後に同じ開始位置へ戻すのは練習上の条件です。公式試合の進行を示すものではありません。Aパス後に特定の攻撃を必ず使わせず、選択肢を準備して状況で選べるかを見ます。
試合後は「並び・根拠・次の行動」の3行にする
例:「R5/相手サーブ時4/10本でサイドアウト、短いサーブの担当が曖昧/次は担当と2本目の助け方を確認」。率と観察した事実を分けて残すと、選手の能力を決めつけずに練習テーマを選べます。
次の練習へ持ち帰る3点
- R1〜R6の表記と開始位置を、チーム内で揃える。
- 失点数だけでなく、相手サーブ時の機会数・得点数を並べる。
- 最も確認したい並びを1つ選び、役割の変更を練習で試す。
参考資料と、このページの作例について
- FIVB『Coaches Manual Level I』本文p.134/PDF138ページ(英語PDF)Offensive Strategies:返球の質・位置、相手ブロック、ローテーションの攻撃特性に応じた選択を確認できます。A〜D評価の全国共通基準を定めた資料ではありません。
資料確認:2026年11月2日。図解・数値・会話・練習条件は、上記資料の考え方を参考にVollyze編集部が作成した説明用の例です。実在チームの実績や、効果を保証する基準値ではありません。